第53章 裏夢ランキング記念 高嶺の藤に手を伸ばす$
藤の花の屋敷。
負傷した鬼殺隊員を治療して休息させてくれる隊員の拠り所だ。
俺は最近、任務が終わると藤の花の屋敷に通っている。
スッ。
いつものように客間の襖を開けると…
「白藤さん!」
会いたいと思っていた相手がいた。
「炭治郎君、任務お疲れ様でした。ご無事で何よりです」
「白藤さん…」
ギュッ。
愛しい人の温もりを感じられるだけで俺は幸せだ。
「もう、甘えん坊ですか?」
背中をポンと叩いてもらって、ホッとするなんて、家族以外では初めてだ。
「今日は何をお食べになりますか?」
「あ、えっと玉子焼きを!」
「ふふっ、すぐ用意しますね」
台所に下がる白藤を見送って、炭治郎は部屋の中を見回す。