第52章 ピックアップ御礼 鬼滅番付&傷だらけの白雪姫
「………失礼しまーす」
聞く相手を間違えたようです。
「もし、そこを行くお兄さんはどこに向かっているのかえ?」
妃が話しかけたのは物悲しげな表情の青年(冨岡)。
「もの乞いに渡す物はないぞ?」
「何を仰います、私はただのりんご売りの婆やですよ」
「ふん、どうだかな。見たところローブも真新しいし、どうせがめつい商売でもしているんだろう?」
「……っ。そういうお兄さんこそ一人で何をしているんだね?一人で」
「供の者の帰りがすこし遅いだけだ。向こうへ行け」
「~~っ。こちらこそ、結構です!」
舞台は城下町から森へ。
「最初からこういう田舎に来ていれば良かったわ。ただあまり人を見かけないわね…森の奥へ、入りすぎたかしら?」
「ハイ、ホー」
「あら?何だか歌が聞こえますね」