第43章 失意の夜$
確か、この前見た時…この辺りだったはず…
ズッ。
肉壁に包まれる感触が炭治郎の背筋に駆け抜ける。
「ふっ…んっ…」
「入りましたよ、白藤さん……」
「いや…」
早く帰って来てください、冨岡さん…
でも、心とは裏腹に体は喜んでる。
本当は抱いてほしい。
でも…やっぱり冨岡さんじゃなきゃ、嫌です…
それに、さっきの…
脳内に反芻(はんすう)する言葉…
断片的に甦る記憶。
閉ざされた部屋、届かない声、磔(はりつけ)にされた手足。
気だるいのは媚薬を常用されているから…
「ひっ…」
「白藤さん、動きますよ……」
パン、パン!と乾いた音が鳴り響く。