第27章 目覚め
「はい。壺を使う鬼が…」
「壺?」
「さい…」
「鋼鐵塚さん?」
「五月蝿いんだよ、さっきから!俺は集中してんだ!騒ぐんならよそ行きやがれ!!」
あまりの剣幕に、鋼鐵塚以外の全員があばら家から外に出る。
「あ…」
離れた場所で、煉獄が鬼と対峙している。
煉獄は呼吸を整えると玉壺に向けて技を繰り出した。
「炎の呼吸・伍ノ型 炎虎!!」
「ギャアアア!!貴様ぁ味方がどうなっても良いのか!?」
「良いはずがない。だが、時透は幼くても実力があるのは間違いない。先程の技程度で彼の輝きは消えない!それに…人質たちもお前が講釈を述べている間に彼らが壺を割り、救出した。よって俺はこうして貴様の頸を斬ることに専念できる!!」
煉獄が刀を大きく振りかぶる。
「炎の呼吸・壱ノ型 不知火!!」
はっ。
煉獄の側に壺が転がる。
気配が鬼と同じだ。
「杏寿郎様!!」
「藤姫殿、下がっていてくれ!」