第21章 芸術作品$
「アンタの血をくれ。髪でもいい」
「玄弥君、落ち着いて」
「アイツらに一撃くらわさなきゃ…」
「私は相手を攻撃する術を持っていません。私は鬼としての能力が低いのです…」
「なら…」
抱かせてくれ。
「はっ!?」
「柱の人たちが言ってた。アンタを抱けば強くなれるって…」
「玄弥君、きっと君の思っている抱くの定義が違います」
「はあ?」
「とりあえず、その傷だけ塞ぎます。血鬼術・不治露」
ちゅ。
玄弥に口付ける。
「なっ…///」
シュウゥゥ。
玄弥の腹の傷が塞がる。
バサッ。
聞こえたのは羽ばたき。
「カカカッ、娘。さっきはよくもやりおったな。その藤血気に食わぬ。今に地獄を見せてやる。その体にとくと刻み込むが良い」