第78章 華ぞ咲く$
「風柱様が来る日はにこにこしとるんですよ、幸はまだ何も気付いてないかも知れませんけど……」
「婆さんは良いのかよ……相手が俺みたいな奴で……」
「風柱様の心根が優しいのを、婆は知っておりますよ」
「けっ……そうかい///」
ぶっきらぼうに見えても返事はしてくれる。
いかつい見た目とはまた違う彼の美徳である。
「すみませーん、お茶をお持ちしました!」
それに比べてうちのはどうにも……
「幸。婆は仕事終わったけぇ、後は離れで風柱様をお相手してやりぃ」
「え?そうなの?」
「おい、婆さん!?」
「風柱様、後はよしなに」
「………/////」
マジかー……
不死川は天を仰いだ。
「それでは離れに向かいましょうか、風柱様」
にこにこと笑う幸を見て複雑な心境になる不死川であった。