第75章 祝福の白は青と交わる$(冨岡裏)
二人の様子を見ていると、炭治郎の胸はきゅうと締め付けられる感じがした。
「俺、帰りますね。白藤さん、また後で」
炭治郎が退室し、二人きりの空間になる。
冨岡は先程同様、粥を勧めてくれるが、白藤の鼓動が早鐘を打って落ち着かない。
「義勇さん、私……」
「お前が無事でよかった」
冨岡が薄く笑う。
あぁ、この人に触れたい。
白藤は冨岡に抱き付いた。
「義勇さん……」
冨岡は優しく白藤の髪を撫で、背中をさすってくれる。
この人の元に帰って来られて良かった。
白藤から冨岡に口付ける。
流れる涙も、零れる吐息も、貴方のものであるなら、全て愛おしいと思える程に。
この感情が「愛」なのか、「熱情」なのかは分からない。
ただ今、この瞬間が続けばいいと願う。
「私、義勇さんと一つになりたいです」
「まだ、起きたばかりだろ……」
「待ちきれないんです、私を……貴方で満たしてくれませんか……?」