第76章 違えし縁
炭治郎と伊黒の攻撃の隙間に、長い曲刀が現れる。
甘露寺が、滑り込んできたのだ。
そのまま珠世の手を取り、引き寄せる。
甘露寺が珠世を連れて、床を蹴るのと同時に、今度は煉獄が前に出た。
構えを見て、炭治郎と伊黒は瞬時にその場から左右に別れて飛び退る。
「炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄!!」
無惨の全身を煉獄の放った炎が覆う。
「ぐぁあぁぁ!!」
この炎自体に効果はない。
だが、先程竈門炭治郎が放った日の呼吸の傷口がこの炎に焼かれて、内側を焼かれるような痛みを伴っている。
有り得ない。
日の呼吸の剣士は死んだはずだ。
忌々しい。
日の呼吸……