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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第72章 邂逅、別離


だが、このままでは、また誰かが犠牲になってしまう。

「血鬼術……」

玄弥は再び、血鬼術を発動させ、黒死牟の動きを止めた。

もう、逃げられないはずだ。

小賢しい。

人間共……

黒死牟が視線を巡らせた。

「時透様!!」

白藤が時透に自身の血を飲ませようとしていたのを見て、黒死牟は目を見開いた。

ああ、そうか。

また、彼女なのかと。

数百年の時を経てなお、変わらない彼女。

いつか二人で暮らす時を夢見ていたこともあった。

そのいつかを体現する前に、自身は鬼となってしまったことが、今更ながら悔やまれる。

お願い、時透様を助けて。

これ程に自身の血に頼ることは無かった気がする。

まだ息のある今が好機だろう。

死なせない。

もう、二度と。

私の前で死人は出させない!

「血鬼術……術式展開・藤の加護・神蔭(みかげ)」

時透の体に藤の蔦のような紋様が浮かび、ばらばらだった身体を寄せ集めて人の形を取り戻していく。

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