第70章 氷中の激情
カナヲが宇髄の斬撃の影から、前に向かって走り出す。
「花の呼吸 陸ノ型 渦桃!!」
体を回転させながら相手の懐に潜り込んでいこうとするカナヲを見て宇髄も感心する。
「へぇ」
胡蝶の継子。
なかなか筋が良いな。
「ふーん。でもこれならどう?血鬼術・冬ざれ氷柱」
氷柱がカナヲに向かって降ってくる。
「……っ!!」
カナヲが渦桃の軌道をズラし、スレスレで氷柱を躱していく。
「すげぇな!カナヲ!!」
「あぁ、本当にな!嘴平。そっち任せた」
「あ!おっさん、ずりぃぞ!!」
カナヲに気を取られて、広範囲攻撃が止んだ。
今ならアイツの首を狙える。
「音の呼吸 参ノ型 夢幻泡影(ムゲンホウエイ)!!」
(※夢幻泡影は公式に無いオリジナルの技です。)
この技は、いわば目眩し。
爆煙の中を分身するように移動する宇髄。
体勢を立て直したカナヲが再度技を繰り出す。
「花の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬」
「へぇ、凄い。九連撃だね。良いねぇ、とても綺麗だ!」