第9章 戦いの只中で
少し前の無惨との会話を思い出す堕姫。
「堕姫。私の支配から逃れた鬼がいる。珠世のように。見つけて始末してくれ。お前にしか頼めない。麻の葉文様の着物に、一松柄の帯の娘だ」
「ええ、勿論。嬲り殺して差し上げます。お望みのままに…!!」
炭治郎が限界を超え、動きが止まる。
「炭治郎!!」
代わりに冨岡、禰󠄀豆子の二人で堕姫に応戦する。
「水の呼吸・漆ノ型 雫波紋突き」
「むむーっ!!」
ズババ。
ガラガラガラ。
帯の攻撃を禰󠄀豆子が捌ききれず、屋根から落ちる。
「可哀想に。胴体が泣き別れになってるでしょ。動かない方が良いわよ」
「禰󠄀豆子!!」
不味い。
炭治郎も禰󠄀豆子も満身創痍だ。
俺がなんとかしなければ。
「アンタみたいに半端者じゃそれだけの傷、すぐには再生できないだろうし」
堕姫が禰󠄀豆子を嘲笑する。