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君と僕なんて所詮。

第1章 はじめ


自分が少し黙り込んでいると五十嵐が心配してくれたのか

「綾瀬?どないしたん?調子悪くなったなん?」

「ううん。大丈夫だよ。ごめん五十嵐」

太陽みたいに明るく輝くいつも周りの中心にいる五十嵐がとても羨ましかった
だけど五十嵐は自分のことを一切話さない。その明るい性格に何かが隠れているようにもみえた。

「そーかいそーかい!よかったわ!ほな今日どっか行かへん?気晴らしに!」

「…そうだね。どっか行こうか。」

特に行く場所は決めず歩きながら探すことにした。

「綾瀬はさ、どうして親の言うことに従っとったん?」

五十嵐がその事について話を振ってきた。正直この話はしたくない。けど五十嵐になら伝えられる気がして。

「それはなぁ…ぶたれるからなんよ。まぁ所謂毒親っちゅー元で育ってしまってん。でもな、私立や名門校大学院に行かせてもろてるんやから毒親じゃないやん。って言われてん。従わなかったらすぐにぶたれる。処刑か?って思うわホンマに…」

標準語でキャラを突き通していたのに五十嵐の前では剥がれてしまう。
案の定五十嵐にも驚かれた

「あらぁ……!綾瀬って関西の人なんやなぁ!親近感湧くわ〜!」

「っあ、無意識やった…汚いやろ、すまんな…標準語意外とムズいねん…」

「わかる〜!標準語ムズいよなぁ!自分関西弁の方が似合うとるで?治さんの?」

「標準語キャラで通っとるし五十嵐の前だけで使う事にするわ」

にししと体を少し揺らせながら笑う綾瀬
五十嵐はニコニコしながら綾瀬の話を聞く

まるで、小学生の笑顔のように。
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