第2章 第2話 刀剣男子
山姥切「昨日、俺に布を脱げと言っていた時の威勢は何処へ行った?」
「下がれ」
バサッ。
#千歳#に布を被らせる。
山姥切「貸してやる。アンタは人前では、その……泣かないんだろう?」
温かい。
もとは刀である彼から渡された布は多少汚れてはいるものの、人肌の温もりが伝わるものだった。
別に泣きたくなった訳ではないし、ただ一人になりたかっただけだ。
元の世界に今すぐ帰りたいとは思わない。ただ、全てを管理されているというのが堪らなく嫌だった。
「っ……」
頬を伝っているのは涙ではない。そう言い聞かせて、気持ちを落ち着かせるために深呼吸する。
「国広…」
山姥切「何だ」
「今だけ腕を貸せ」
ぎゅっ。
問答無用で腕を抱えられる。
山姥切「おい…」
震えて、いる?