第32章 第32話 違和感@
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万屋街。
歌仙「こういうのはどうだい?」
千歳「うーん、値段的にはこっちかなぁ」
歌仙「それならこっちの色は」
千歳「あ」
山姥切、国広。
残念ながら会いたかった山姥切国広ではなく、主と談笑しているようだが。
ああ、あんな頃が確かにあった。
ぐいっ。
手を引かれ、ようやく意識が逸れていたことに気付く。
千歳「ちょーぎ?」
ちょーぎ「何よそ見してるの?そんなに、向こうの山姥切国広が気になるの?」
千歳「何、で?」
ちょーぎ「分かるよ。君のことなら何でも、ね?」
千歳「………」
ちょーぎ「誰かさんの入れ知恵だよね。歌仙?」
千歳「違う。彼は関係ない!」
ちょーぎ「どうして断言できるの?」
千歳「え」
ちょーぎ「普通はシラをきるよね?ねえ、君は何に気付いたの?」
ドンッ。
歌仙「逃げるんだ、早く!」
千歳「歌仙!」
歌仙「僕に構うな!」
逃げなければ。
逃げ…何処に?
ガシッ。
千歳「一期一振?」
一期「さあ、主殿。行きましょうか」
千歳「待って、やだ」
連れ帰される!
でも、一期一振の足は本丸とは逆方向で。