第25章 第25話 奈落(ならく)@
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一期一振に媚薬を飲まされ、最後の抵抗で腹を短刀で抉り、翡翠を逃がす算段だった。
手応えはあった。
実行したのは間違いない。
けれども、戻ってきた翡翠が連れてきたちょーぎによって犯され、挙げ句に胸に焼き印を押し付けられた。
焼け付く痛みと身体に響く快感で一度意識が飛んだ。
一期「大丈夫ですか?」
千歳「一期一振。私はお前を許さない」
一期「本当に飽きさせない人ですな」
チュッ。
胸元にある奴隷の刻印に口付けをする。
千歳「っ…」
意識が呑まれる。
望んでもいないことを口走り、相手の望むままに行為に溺れる。
助けてと叫びたかった。
ここから連れ出してと。
でも、それは叶わない。
待ち焦がれても、助けが来ることはない。
何もない宙に手を伸ばす。
ああ、彼に会いたい。
終了!!