第24章 第24話 贄(にえ)@
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千歳「あちらから連絡がないなら、私が一人で歩くしか方法はないだろう」
山姥切「何を言ってるんだ」
千歳「アイツ等の目的はあくまで私だ。そう、案ずるな」
山姥切「いいや、アイツ等には渡さない。たとえ、アンタが納得しても俺は……」
すっ。
国広が伸ばして来た手を受けとる。
千歳「私はお前達の様に強くない。子供達が拐われた事すら気付けず、何も出来なかった。人の身は脆い。だが人は忘れる生き物だ。老いと共に記憶が薄れるのを移り行く時に身を任せる。儚くも図太い生き物だ」
ぎゅっ。
国広に抱き付いて、気付かれないように、自らの腰に手を伸ばす。
その先に短刀の夢路が挿してある。