第5章 身八つ口【黒尾鉄朗】
『…あっ …クロさッ………』
指も舌も動きを止める
「…そうじゃねぇだろ?」
『…えっ?』
「あ、止めちゃおっかな」
『えっ やだ。クロさんほしい』
…何でこの子はこうも…こうなのか…
天然たらしっつーか駆け引きとかじゃなくすげーこと言ってくるんだよな
「クロさんはあげない」
『…あ。鉄朗。 鉄朗が欲しい。 やめないで?』
「………」
止めていた指と舌の動きを再開させる
指は規則的なリズムで刺激し続け、
舌と唇では強弱緩急をつけていろんな刺激を与える
『てつろッ…… もぉッ………あっ……』
ビクンと身体が揺れ膝が落ちて、
俺の肩に手をつきながらへなへなとしゃがみ込む
「すっげーかわいいな、穂波ちゃん。もうイッちゃったの?」
『…鉄朗、キスして』
「欲しがるねぇ、すげーいい。何でもしてあげるって約束したからなぁ〜」
ちゅっと触れるように口付けると、
腕を首にからめて自分から舌をねじ込んでくる
キスもすげーいいんだよな。最高。
舌を絡めあい、ゆっくりと唇を話すと唾液がつーと糸を引く
「なぁ、俺たち相性ぜってーいいと思わねぇ?」
片手で胸、もう片方の手で耳を弄りながら耳元で囁くと
ビクっと身体を小さく揺らし、
腕を首にまわしたまま力なく俺にもたれかかってくる
「言葉でもイッちゃうってか。やば、まじでもう、ヤる前から手放したくねぇ」