第4章 ※王者の裏側(新開隼人)
3回目の熱を放ってようやく身体の火照りが治まった。
汗か涙か、とにかくの頬に張り付いた髪を横へ払いのける。
反応はない。
意識を飛ばしてしまったからはすでに規則正しい寝息が聞こえてきていた。
「、卒業したら…何にも囚われなくてよくなったとしたらその時は本気で俺の手を取ってくれるかい…?」
独り言の様な新開の言葉。
新開は小さく笑っての頭をそっと撫でた。
ドン…ッ!
直後、ノックとは到底言えない扉を叩く大きな音がした。
ここは知るべき人しか知らない鳥籠。
制服のズボンだけを履いて新開は小さく溜息を漏らした。
扉を叩いたのが誰なのかわかっているかのように、自然に扉へと向かい鍵を開けた。
「…やぁ、靖友」
「やぁ、じゃネェよ、テメェはいつも加減をしなさ過ぎなンだよ」
新開を一度睨み付けてノックした人物、もとい荒北靖友は部屋の中へと入る。
「いつも悪いな、靖友…」
「はっ…!全然悪ィって思ってる顔してねーけど?お前」
「そんな事ないよ、ありがとう靖友。じゃあ俺は先に出るから」
脱ぎ散らかした他の服を手に新開はこの小さな鳥籠を後にする。
(毎回そうだ…、靖友が止めに来なければ俺は)
きっとあの状態のですら抱き潰していた。
狂愛、我ながらそう思う。
を前にすると自分を抑えてられない。
「まいったな…」
シャツのボタンを留めながら新開小さく笑みを溢した。
もう、次にどう彼女を抱くか考えてる自分が可笑しすぎて。
end