第5章 正解と誤答と誤解と嘘
「では、お前は結局好いている者はいないということか?」
ハリベルの問いかけに、にこりと笑みを深める。
「---…はて、どうやろね?」
少なくとも、と言って、指先を扉に向ける。鬼道を用いてその扉を破壊すると、どさりと何かが倒れる音がした。グリムジョーとノイトラ、そしてウルキオラが3人仲良く積み重なっている。驚くハリベル達を他所に、わざとらしく笑って、言ってやる。
「女の子ん部屋をコソコソ覗き見して、しかも盗み聞きしはる男には、興味あらへんなァ」
バツの悪そうな顔をした男3人に、従属官3人が軽蔑の眼差しで嫌味や悪態と言う名の攻撃をかます。その様子をハリベルと笑いながら見物し、立ち上がってハリベルの少し後ろの方に向かう。
「貴方も例外やあらしまへんよ?藍染隊長」
空間を掴み、勢い良く剥がす。そこには優雅な笑みを携えた藍染隊長がいた。
「おや、バレてしまったか」
「グリムジョー達だけやなくて貴方も…。暇やないでしょうに、何してはるんですの」
「面白そうな話をしているなと思ってね。つい」
「つい、やあらしまへん!」
揃いも揃って皆暇人なのか。確かに此処はあまりすることはないけれど、ガールズトークの盗み聞きはいただけない。はぁと溜め息を零すと、藍染隊長の存在に驚いていたハリベルが、パッとこちらを見る。
「まさか愛美、最初から気づいて…!?」
答えずに、ただにこりと笑む。
「……これでは、どこまでが嘘でどこまでが本当か分からないな」
やられた、と、悔しそうな表情を見せるハリベルに、お茶のお代わりを注いであげた。(ごめんな、最初から気付いててん。)彼らに対しての気持ち---嘘は言ってないのだけれど、ね。
正解と誤答と誤解と嘘