第9章 約束と縛り
かかしサイド 続き
木の葉の里に戻り門をくぐる_______
「行っちゃいましたか…先輩なら傍においておくとも思ったんですがね」
俺の後ろに現れた気配から声がする。
「そうしたかったんだけどね…でも今回ばかりはそーもいかないでしょ、テンゾウ」
「よしてくださいよ、テンゾウは。でも先輩、今回の貸しはおっきいですからね。あの後先輩に全部押し付けられたし、ちゃんと誰も寄せ付けないようにして見張りと伝言預かったりしてたの僕なんですから。ナルトもほんっとにしつこくて引き留めるの大変だったんですよ??」
頭を掻きながらジロリと見つめてくるテンゾウに、俺はサラリと言う。
「ま、さすが俺の1番信用できて、頼りになる後輩だな」
「先輩…ほんとに思ってます?」
「何、疑ってるの?」
じっと俺を疑って見つめるテンゾウに、俺は一呼吸ついて今度は真面目に伝えた。
「ホントに今回ばかりは助かった。これで新たな気持ちで挑めるよ。感謝してる、ヤマト」
「素直な先輩はなんか恐いですって」
「何、どっちよもぉ」
2人穏やかに言い合いながら俺達は里の奥へと進んだ。