【鬼灯の冷徹】あの世の行い気をつけて【トリップ長編】
第6章 初めてのお使い~桃源郷編~
「白澤様ー、お客さんですよ。」
此処まで案内してくれた桃太郎さんが扉を開けてくれる。軽く話した感じ彼はまだこの仕事について日が浅いようだ。(原作的にも始まったばかりの時間軸っぽい。未来とかじゃなくて良かった)
「お邪魔します。」
あくまでお使いなのでおとなしい態度で室内にはいれば一瞬やる気なさそうに調合している彼の姿が見えた気がした。とおもえば一気に営業スマイルに変わった神獣さんがこちらに向かって手を振りながら
「葎華ちゃん、僕に会いに来てくれたの?嬉しいなぁ。美味しいお茶っ葉があるんだけど飲んでいかない。」
と話しかけてきました。うん、会うのは二度目だけどやっぱり残念なイケメンだな。桃太郎さんも同じような目つきで白澤様の事を見てます。ブルータス、お前もか(
「いいえ、今日は閻魔大王のお使いです。頼まれていた漢方が出来上がったと聞きましたので引き取りにまいりました。」
あくまで淑女ですから。それに早く受けとって帰る事が出来れば自由時間がちょっと増えるしね。
「つれないなー。でも此処まで来てくれた人にお茶も出さずに帰すのは僕のポリシーに反するからね。タオ太郎くん、最近出来上がった烏龍茶持ってきて貰えるかな。」
「はいはい、湯呑は三つでいいですよね。僕も頂きたいんで。」
「シェイシェイ。お願いね。」
そう言って扉の奥に桃太郎さんは消えてしまう。二人っきり(うさぎ従業員さんはいるよ!)の状態になれば白澤様が真横に来て
「まさか来てもらえるとは思わなかったよ。普通秘密を知ってる人とは距離をお置くんじゃないのかな?」
ニコニコしながら腰に手を回してきたのでピシャリと払い落とし
「私個人的には付かず離れず観察したいですね、こういう風にしてくる人は。」
「酷いな、僕は誰にも君の事言ってないのに。信用ないの?」
「ありません。けど、友達からのお付き合いなら考えます。」
「本当?!じゃあ今夜は朝まで語り合おうよ!」
「今日中に閻魔大王に薬を渡す必要がありますので却下します!!」
その言葉と同時に扉が開き桃太郎さんがお盆にお茶を載せてやってきた。
「お茶用意できましたよ。さ、どうぞ。」