第53章 生還
「…瑠璃…お前の軀を心配し「いらない」」
瑠璃が政宗の言葉を遮って声を上げた。
「心配いらないからっ」
照れ隠しか、自分を睨み上げる瑠璃を政宗は眼を丸くして見た。
「…シたい…」
瑠璃がはっきりと口にした。
「私が求めちゃ、…駄目やった?」
(こんな気持ちあるんだ…)
無性に相手を求めたくなる気持ち。
「……////……」
今まで政宗に対して駄々をこねていた瑠璃が更に真っ赤になって黙りこくった。
「?」
「………」
「瑠璃?どうした?」
「…ヤダァ……」
「は?」
小声で瑠璃が何か言っている。
(政宗、私にいつもこんな気持ちだったの?)
今の自分の気持ちみたいに、政宗がいつも求めてくれていたのか、と思うと、嬉しくも恥ずかしくなったのだ。
俯いた瑠璃、髪の毛が溢れ落ちて頸(うなじ)が覗く。
政宗は誘われるように手をやると、
瑠璃の髪をかき上げ、唇を寄せた。
「散々煽った挙句、黙りかよ……
なぁ、瑠璃……
コレ、どうしてくれるんだよ」
コレ…勃ち上がった男の欲の塊。
それを瑠璃に押し付け、示してみせる。
「それ、は…」