第8章 隠秘慰撫(R18)
猫みたいでたまらなく可愛い。
そして、その奥に隠している女の姿は実に婀娜やかなのだ。
「おねだり、上手になったな」
「ウフフ…政宗に教わった」
「そうだった。…チュッ…チュゥ…
強くて、負けず嫌いで、時々手に余るけど、チュッ…可愛い…チュ……チュッ…
好きだ、ずっと…傍にいろよ。チュッッ…」
囁きながら口付ければ、擽ったそうに笑いながら、俺の口付けを素直に、うっとりと受け止める。
なのに、悩み事は素直に打ち明けてはくれない。
それが時々、歯痒く感じる。
でも、話してくれない瑠璃に対してではない。
(お前、ずっとそうやって独りで悩んで、
泣いて、乗り越えてきたんだな…)
瑠璃が育ってきた環境を思い、
そうするしかなかった事、そこからまだ抜け出せていない事への歯痒さだ。