第21章 サイン
気がつけば私は夢から覚めていて、ホテルのベッドに横たわっていた。
『ああああ、あああああッッッ!!!』
言葉にならない嗚咽と目から溢れ出す涙に、また溺れそうになる。
突然襲ってきた吐き気を抑えられず、ボタボタと胃液をシーツに吐き出す。
空っぽの胃から溢れ出る胃液はヒリヒリと喉を燃やし、熱い涙が滲む。
うっすらと血の香りが鼻を抜ければ、そのまま泣き崩れて叫び続ける。
『ツバサァ…ああ…あああああッ』
そうしてなければ、今でも狂ってしまいそうで。
この感情を背負うにはあまりにも苦しすぎて、抱えきれなくて。
ボロボロと溢れ出す自分への嫌悪と絶望。
私は、ツバサを置いて逃げた姉。
若くして命を落とした弟と、
一緒にその運命をたどるはずだった姉。
私はもう、
赦されない。