第4章 妬きすぎた好き
我が部自慢のベーシスト、鹿瀬恵樹が恋をした
しかも人生で初めての恋だ
お相手は旭と同じバレー部副主将の菅原先輩ときた
私はアヤと長年幼馴染であの子の壮絶な過去を知ってる
だからこそ応援したいし全力で支えてあげたい
何度でも助けるってあの時誓ったから。
想えば少し不自然だったかもしれない
旭に要らぬ疑い掛けられちゃった
菅原先輩のほうがよかったのかなんて
絶対にそんなことないし
ありえないんだよ。
それをどう伝えていいかわからない
時間は少しさかのぼりスーパーで買い物をしていた時だ
森岡さんは親戚の人でアヤの住んでるアパートの管理人兼大家さん
お母さんが用意した場所でアヤに安心して住んでもらえるよう配慮した場所でもある
もちろん近くだからスーパーでばったり会うこともあるし
世間話とかもちろんする
でも、そんなアヤのアパートにもしかしたらあの女が近づいてる可能性がある
アヤを散々苦しめて追いつめたあの女だ
私はもちろん許さないし大切な友人に地獄を思い出させるつもりはない
旭をほったらかしてしまったのには少し反省しなきゃいけないが
行動せずにはいられなかった
『どうしたのヒナ、珍しい時間に電話なんか』
夕方にはあまり電話をかけないようにしてるから
物珍しそうな声
「お母さん、もしかしたらあの女がアヤの居場所見つけたかもしれない…」
『…なるほどね、ならこっちも徹底的にやるわ。約束だものね。破ったのはあっちだもの。ヒナは安心していいよ、東根君によろしくね』
電話を切るとお母さんの冷たい声色が響く
この声をするときは基本的に徹底的に誰かをつぶす時
あの女がアヤにしたこと、私たちにしようとしたこと
許せないし許すつもりもない
そしてこの話を旭に話すわけにもいかない
心配させたくないから
なんとなく旭の顔が見れなかった
家に帰っても少し落ち着かない
お母さんの反応的には大丈夫そうだから任せることにしたいけど
少し心配もある。
特にお母さんがやりすぎないか
いろんな考えが頭の中をぐるぐる駆け回る
旭がいるのに
考え事をしながら晩御飯の用意をしてると
旭が携帯の通知を知らせてくれた
内容を見ると、私にとってはうれしいニュースだ