第1章 誕生日プレゼントは…
夏祭りの日
私は…やっと旭に気持ちを伝えた。
思えば長かった
アメリカに住んでいる父が事故に遭い
半年近く向こうにいたから
きっと誰かと付き合ってるかも…なんて思ってたのに
私の1年間の片思い。やっと…口に出せた
旭が好き…ヘタレな所も、サーブを打つ時も、みんなが繋いだトスに思い切りスパイクを決める瞬間も。
私が出来ない事をやってのける。
そんな姿が大好きで
悔しい。旭が本当に辛い時そばにいてあげられなかった
だから今度こそ側に居てあげたい
「旭!お疲れ様!皆もお疲れ様です!これ、差し入れです!」
いつものように差し入れを持って男子バレー部に顔を出す
それぞれ差し入れのアイスを頬張りながら休憩をしてる
「旭…あの…」
「ん?どうした?ヒナ」
少し頬を赤らめながら屈んでってアイコンタクトをし
頭にはてなマークを浮かべたような顔で私の身長に合わせて屈んでくれる
少し汗ばんだ旭の首筋…
高鳴る鼓動を抑えながら旭に耳打ちをする
『今日、うちに来て欲しい。旭が合宿の時…私の誕生日だから、前祝いしたいの』
付き合ってまだ間もない私達は自分の誕生日を告げるタイミングを逃してしまったので
急遽呼びつけることにした。
「なっ!?早く言ってくれよ!!あ〜っ何も準備してないよ?」
一瞬ギョッとした顔をしたと思ったら心底がっかりしたような表情をしてしまった
「あ、あぁっ!私が悪いの!ただ…えっと…」
なんだなんだとメンバーがぞろぞろと集まる
旭が慌てたような口調で私の誕生日と言いふらしているのだ
あぁ、もうやめてよ…バカぁ…
「あの!皆!今日練習終わったらそのまま旭を連れて帰るのでッよろしくお願いします!!」
もうやけっぱちだ!
何人かは察したのかにやにやしていたり笑いをこらえてたり
察しの悪い人達は各々にどーぞムードを全開にしていた。
旭はプレゼントとか色々考えてるみたいでちょっと顔色が悪くなっていた
「いいの!帰りにケーキ買って!その後うちに来れば!わかった?!」
「ぁあ…うん…わかったよ…」
試合前みたいに旭はガタガタ震えていた
多分、私が求めているものが分かってないようだった
…なんだか恥ずかしくなってしまった