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あなただけを…

第50章 ➖秘密の魔法薬➖


=魔法薬学室=


(先客は無し…とりあえず準備して
 早く終わらせて帰るとしましょうかね…)

パチンと指を鳴らし
必要な2組の器材を机に並べ
薬剤も魔法を使い必要量揃えると
調合を始めた

(とりあえず…水中呼吸、ヒレを足にする、
 寒熱を緩和する薬に
 眠気覚ましかな…?
 あ、暁天草が足りないわねぇ…
 どうしよう…。アレは希少な薬草だし
 今から捜しに行くのは億劫ね…)

眠気覚ましを諦め
それ以外の数種を作り上げていく

(まぁ、いっか今度で。
 とりあえず味付けをしないとね…
 水中呼吸はリンゴ、緩和はチョコミント
 足に変えるのは…オレンジ
 今日の気分はこんな感じかしらね)

『ふぅ〜。上出来♪
 久々に集中したわね…疲れた…。
 甘いものが食べたい…』

そう呟き少し伸びをして
指を鳴らし汚れた器材を綺麗にし
一息着いていると…

扉が開き、数人入室してくる


「2年A組、アジーム、シルバー!
 なぜお前たち2人だけが放課後
 俺に呼び出されたか、わかっているな?」

(あら?クルーウェル先生ね。
 …カッコイイよね。年上だし…はぁ…)

それでも彼が好き。
茨の道を選んでしまった
自分に少しだけ嫌気が差した…

「−−そうだ、補修の課題は”眠り薬の調合”
 眠るのが大好きなお前に
 おあつらえむきの課題だろう?
 成功するまで魔法薬学の単位はやらん!」

「「え………っ!」」

「せいぜい頑張れよ仔犬ども…」

そう吐き捨て
クルーウェル先生は退室していった…

(あら…シルバーは昔からの体質で…
 ん〜…これは助け舟出しましょうかね)

席を立ち2人の元へと近付く

『カリム、シルバー話しは聞いてたわ。
 私でよければ手伝うわよ?』

「よっ!サラ!部活以来だな?」

「サラ殿⁉︎」

『お久し振りです。
 2人共単位落とすのはイヤでしょう?
 魔法薬学は得意なので…手伝いますよ?
 カリムは、寮長ですし…
 シルバーは…マレウス達に…ねぇ…。
 力になれる事は多いかと思いますが
 お2人共どうしますか?』

2人にそう問いかけると
少し悩んだ後
3人で課題に取り組む事が決まった
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