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あなただけを…

第34章 ➖転寮?➖




=ディアソムニア寮・マレウスの部屋=
 

リリアの魔法でマレウスの部屋へと
移動した私達…

『う…っ…うぁぁー…っ…なんで…
 っ…なんで…っ…はっ…うぅ…もう…』

押さえ込んだ感情と共に涙が止まらず…
呼吸が乱れ、息がうまく吐き出せず
体に酸素が回らず、頭がボーッとする…

私の名前を呼ぶ声が遠のいていった…




「……サラ…サラ」

『……んっ…』

自分の名を呼ぶ声で目が覚める

「気分はどうだ?サラ」

私と目が合い愁眉が開くマレウスが見えた

『多分大丈夫……じゃない…
 こんなに心配かけて悪いけど…
 マレウス達の前じゃないと素直になれなくて
 …ごめんね…』

「無理に笑うな。吐き出せばいいだろう?
 我等を受け入れ…家族と言ったのは
 他でもないサラだ。
 お前の事だ、今も迷惑をかけて…
 なんて思っているのであろう?
 家族とは人生の哀歓を共にする存在だ…
 …血の繋がりなどなくともな…そうだろう?
 僕の器はそんなに小さく見えていたのか?」

『……っ…うん…そうだよね…マレウスは
 優しすぎるくらいだよ…みんなも…
 でも、落ち着いたらでもいい?
 自分の気持ちも整理したくてね。
 今はグチャグチャになっちゃって…』

「わかった…暫くここで我等と過ごすか?」

『うん…みんなと一緒に居たい…』

「そうか…皆には僕から伝えるとしよう」

「話しも済んだようじゃな…
  サラわしの部屋で過ごすか?」

タイミングを見計らいリリアが現れた…

『え?いいの?リリアちゃん』

「今のサラは放ってはおけぬからな。
 暫し、わしの部屋で共に過ごすとしよう
 ではないか…気分転換も大事な事だぞ?」

『ありがとう…お言葉に目一杯甘えるね?』

「あい、わかった…マレウスよいな?」

「サラがいいなら…僕は構わないさ」

マレウスからの許可も得たところで
もう一度お礼を言って
リリアの部屋へと移動した…
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