第2章 不言色 ―いわぬいろ―
【雅紀side】
舌を差し込んで、ニノのそれを絡めとる。
最初は躊躇いがちに、俺の動きに合わせてきたけど。
絡み合ってるうちに、徐々にニノの方が大胆に舌を蠢かしてきて。
リードしてるはずの俺の方が流されそうになる。
前んときも思ったけど
この人、すげーキス巧い
いかにも遊んでます!って感じなら
まぁそっかなって納得も出来る
でも、俺へ見せる反応はいちいち初々しくて
そうじゃないってことはつまり
こんなキスを仕込んだオトコがいる、ってことで……
「…っ…」
ニノの向こう側にチラチラ見える、顔も知らないそいつを思うと、もやもやしたものが沸き上がってくる。
これってさ…
もしかして、ヤキモチ…なのかな…?
ありえないよ!
だってさ、いくら可愛いって思ってたって…
ニノはお客さんなんだよ!?
ヤキモチなんて…
そんなの……
そんな感情、持っちゃダメ、なのに…………
ドロドロとした感情が、身体の奥底からじわりと染み出すのを感じつつ。
唇を、顎へと滑らせる。
「はっ…ぁ…」
顎から首、鎖骨へとねっとりと舌を這わせると、ニノの唇から色っぽい声が漏れだした。
そのまま唇をさらに下へとずらしていき、もうピンと勃ちあがって存在を主張するピンクの胸の粒の周りを、円を描くように舌先で舐める。
「あ、ぁ…」
悶えるように身を捩るのを確認しながら、何度も何度も周りを刺激してやると。
ニノの手が髪の毛の中に入ってきて、ぐしゃぐしゃとかき混ぜてきた。
「ね、ぇっ…」
「ん?なに?どうしたの?」
「やっ…イジワル、しないでよぉっ…」
どうしても、可愛いおねだりが聞いてみたくて。
「イジワルじゃないよ?ニノのして欲しいこと、全部やってあげる。だから…ちゃんと言って?」
そう、訊ねたら。
「…俺の、乳首…噛んだりペロペロしたりして…」
想像以上の、おねだりがきた。