第1章 協奏曲 ─concerto─
そのまま、ガツガツと力任せに突き上げられた。
「あっ…あっ、あっ…」
パンパンと、肌と肌のぶつかる音と。
グチュグチュと、俺のなかを翔ちゃんがかき混ぜる音が。
狭い空間で反響して、いつもよりダイレクトに脳みそを直撃してきて。
もう今すぐにでも、イッちゃいたい!って気持ちになるんだけど。
でも。
「あんっ…ぁ…まっ、て…翔ちゃ…まって…」
俺は、腰を掴んでる翔ちゃんの手首を、握った。
「どうしたの?」
翔ちゃんは、びっくり顔で俺を覗き込みながら、動きを止める。
「顔…見たい…翔ちゃんの顔見ながら、イキたい…」
だってさ
さっきはバックでイッちゃったから、翔ちゃんのエロいイキ顔見れなかったんだもん!
やっぱ最後は、お互いの顔見ながらイキたいじゃん?
「そっか。そうだな」
俺のお願いを、翔ちゃんはあっさり聞いてくれて。
一度、ずるりと俺の中から出ていくと、俺の身体をひっくり返して。
右足を、持ち上げた。
「じゃあ、智くんの究極にエロいイキ顔、見せてね?」
ニヤリと笑いながら、そう言って。
また一気に、奥まで入ってくる。
「あぁぁっ…」
衝撃に仰け反りそうになるのを、翔ちゃんの首を引き寄せて堪えた。
「いくよ、智くん」
「ん…きて?翔ちゃん…」
ぴったりと肌を合わせて。
二人で一緒にフィニッシュを目指す。
「はぁっ…あっ…きもち、いいっ…」
「くっ…俺も、イッちゃいそ…」
噴き出した汗が、翔ちゃんの身体を伝って滑り落ちていく。
そんなのも、今翔ちゃんと一つになってるって実感できて。
ああ…
俺いま
ホントに幸せだなぁ…
「しょ、ちゃ…も、ダメ…イッちゃうっ…」
「俺も…智、くんっ…」
「あぁぁっ…イクぅっ…」
一番奥まで突かれた瞬間、俺のなかで翔ちゃんの熱い欲が広がったのを感じて。
俺も、同じのを解き放った。