第1章 1話ぁ
『あの子の事どう思ってる?』
ただこれだけの質問をした。
これだけの質問に答えるまでかかった時間
約5秒
『危なかっしくて、目を離せない、でも普通に可愛らしい女の子よね、仕事に熱心で、巫山戯るときは巫山戯て真剣な時は真剣で普通に偉い子やとわしは思うけど……』
ボソッと呟くと、乙女組が『きゃー!!』と騒ぎ始めた。
何事だ?!と涼が酒を片手にやってきた。
乙女組が『もうっ、ぬらり分かってないのねっ!』『いいわねぇ!!素敵っっ!!』と言っていたので、涼には大体察しがついたらしく、静かに自室へと帰っていった。
ぬらりひょんはなんの事かさっぱり分かっていなかったらしく、『何が素敵??』と言うと、乙女組にバシバシと肩を叩きながら、伊和が真剣な顔で、
『ぬらり…たまにあの子の事見ると胸痛くなるでしょう?』と詩子とキャッキャッしながら言った。
『まぁ…そうね、たまにだけど』
と新聞を読みながら言う。
乙女組は又もや『きゃー!!』と歓声をあげている。
『さっきから何でそんなに嬉しそうなん……?』と言う前に、詩子と伊和が言った。
『それは恋なの!!!!!』
と。
大きな声で言っていたので、きっと自室にいる涼にも聞こえていたはずだ。
ぬらりひょんは『ぬ〜そうなのねぇ〜』と口癖を言った後コーヒーを飲もうとしたが、吹いてしまった。
ぬらりひょんは
『……んなわけないやろ!!このわしが恋?妖怪の総大将かもしれんわしが恋?なに、馬鹿げた事言ってんのよ…もしわしが恋してたとするよ?でも人間と妖怪ってアカンやろ?』
と乙女組を説得させようとしたが、乙女組は意見を変えず、『ぬらりはあの子に恋してるのっ!!!』とだけ言い続けた。
あれから一日が経った。
妖怪達は普段通り…いや1人だけ普段通りに過ごしていない妖怪が居た。
それはぬらりひょんだ。
あの乙女組から『恋してるのっ!!』と言われてからずっと考えていたらしく、目に下には分かりやすくくまがある。
詩子や伊和、乙女組では無いが涼達が小声で話し合っている。
『見て、ぬらり何か考えてるわよ笑きっとあの子の事だと思うけど……笑』
『自分で恋してるのかもさえ分からねぇのか、ぬらりひょんは……』
『素敵ねぇぇ!!』
とぬらりひょんとあの子について話し合っていた。