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地縛霊は孕ませたい!?

第2章 世間はそれを、脅迫、と呼びます。


交わり……。


それってつまり。


「正解」


にやり、とまた瞳が細められた。
ついでに弧を描く、唇。



「1日」
「ぇ」
「強く深く繋がりを持ったとして、1日くらいならキミの体を維持するエネルギーが作れる」
「1日っ!?」
「そう、1日」


嘘でしょ。


「ついでに俺の子孕んでくれたら、新しい電池が手に入るんだよ?一石二鳥じゃん」
「………それって、1日1回あんたと、その、エッチしなきゃいけないってこと?」

「ピンポーン」

「………しなかったら?」

「可哀想、電池切れだね」


「………死んじゃうの?」
「御愁傷様」
「…………」



でもでも、新しい生命を宿せばいいなら相手はこの子じゃなくたっていいわけだよね?
何も好きでもないこの子としなくても。


「だから、その場合エネルギーは生産されないんだぜ?孕む前にさっきみたいに消えちゃうだけじゃん」
「………」
「俺と、真白が交わることに意味があんだよ」
「………」


「わかった?」




なんだろ。
うん。
これ絶対。
これは間違いなくあたし、脅されてる。
警察?
ヤらなきゃ死ぬとか脅されてます、とか言ったところで相手になんてされるわけないし。



「んー、まぁ、こっちも切羽詰まってっからさ。脅しってのもあながち間違ってないんだわ」
「ぇ」


むに、と。
右手でまたほっぺた捉えられて。
さっきと違って成長した分掌までおっきくなったっぽい。
さっき両手だったのはそのせいだったのか。



「………おい」



忘れてた。
聞こえちゃうんだ、この人。


「まぁいいや。全然余裕みたいだし?まずは手始めに、いーっぱい、苛めてあげるね?おねーさん。」






さすが地縛霊。
人を脅かすだけじゃなくて、脅す方も、得意だったのね。






「………世間はそれを、脅迫、と呼びます。」






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