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ダイヤのA 御幸一也

第19章 今できること


「御幸くん!」

「おー舞ちゃん」

ベンチから出てきた御幸くんを捕まえた。

「手、右手は?まだ痺れてる?」

「ほんと、よく見てるな。あの後ヒット打った時、また痺れたけど今は大丈夫。まぁ、アドレナリン出まくってるからかもな」

良かった…。

そうだ…いい忘れてた。

「おめでとう!お疲れさま。」

この前みたいにハイタッチをした。


準決勝は明後日。
ミーティングを食堂でしている間に道具を吹き上げる。
いつまでも勝利の余韻に浸ってられない。もう次の戦いは始まってる。

私がみんなの為にできること。
それをしっかりやらないと。

全体ミーティングが終わったみたい。
沢村くん達投手陣と御幸くん、クリス先輩は反省会をするって言ってたっけ。食堂、空いてるかな?

だれもいないみたいだ。
冷蔵庫から買っておいた甘酒と寒天を取り出す。
飲む点滴と言われる甘酒をプリンにして食べてもらおうと思う。
とりあえず試作してみないことには…。うまくいったら、マネージャーのみんなにも手伝ってもらおう。

甘酒プリンを冷蔵庫で冷やし固めている間に、フルーツを一口大に切っていく。
明日も熱くなりそうだから、お昼休憩のときのデザート。
疲労回復に効果ありとされている、バナナとかブドウ、パイナップルをとにかく切っていった。

「おぉ!できてるできてる」

そこに御幸くんがやってきた。

「ここにいた。荷物あるのにどこにもいねぇからどこいったかと思った。」

「これ作ってたの。」

「プリン?にしては、色が…」

甘酒で作ったことを伝えると、なるほどねと関心してくれた。

「味見する。あーーーん」

カウンターの向こうで口を開けて待ってる姿はなかなかかわいい。

スプーンで救って口に持っていく。

「どうかな?」

「ほんのりした甘みがいいと思う。俺、これ好き。もっとちょうだい」

結局ペロッと1個食べきってしまった。

「5回のグラウンド整備の時とかに食べられないかなって思ってるんだけど、どう思う?」

「いいんじゃない?喉越しスッキリだし、いいエネルギー補給になりそう。今日の轟もバナナ食ってたし」

あれは食いすぎだけどなと笑った。
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