• テキストサイズ

ダイヤのA 御幸一也

第11章 嬉しそうな顔


2軍の選手から2名1軍へ上げるための試合。

みんなが必死にアピールをしてる。


沢村くんの登板。
早速波乱が巻き起こる。


あ、フォーム変わった…

クリス先輩からの指導を受け始めてたった一週間なのに。
すごい…
でも、ストライクが入らなくて、ノーアウト満塁。

クリス先輩がキャッチャーマスクを被った。

誰もが驚く作戦を立てて、見事に打ち取る。

すごい!本当にクリス先輩はすごい人だ…

あ!御幸くんに知らせなきゃ!
室内練習場でウエイトトレーニングしてるはず。

呼びに行こうと思ったら、誰かから聞いたのか、息を切らせて笑ってた。

「あんたはやっぱ、こうでなきゃなぁ、クリス先輩。」

「御幸くん!今の見た?!」

「見た!すげぇわ、ほんと。」


ブルペンに向かう沢村くんに声をかける御幸くん。
クリス先輩のお誘いで御幸くんもブルペンに呼ばれた。

「おもしろいものが見られるぞ」

御幸くんは目をぱちくりさせていた。

青道の攻撃が終わって、御幸くんがこっちに戻ってきた。


「どうだった?」

「クリス先輩の言うとおりおもしろいもん見れたよ。あいつの投球見ててみ。」

「急成長だね。楽しみだ」

ランナー出してるけど、まともなヒットは一本もない。

「腕が遅れて出てくるし、甘いコースだと思っても手元で動くから撃ちそんじちゃうわけか…初回の印象が悪すぎて臭いところをボールにされてなきゃもうちょっと楽に投げられてるはずなのになぁ…」

独り言を言った私をレギュラー陣がジーッと見てる。

「すみません、うるさかったですね。黙ります…」

「よく見えてるじゃん。君生意気」

「えー、亮介先輩ひど…」

ムニッと亮介先輩に頬を摘まれる。

振り遅れたバットはファールになった。
クリス先輩はそのボールを取りに行く。

諦めてしまいそうな打球なのに…フェンスギリギリでしっかり掴んでいた。


「御幸くん、嬉しそうだね」

亮介先輩に摘まれてちょっと痛くなった頬をさすりながら、御幸くんに話しかける。

「全然変わってねぇんだ。俺が憧れたプレースタイルなんだって」

興奮気味に話す御幸くんの姿を見ていると私も釣られて笑顔になれた。

/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp