第68章 開会式
7月5日、開会式。
東西合わせたらすごい人数。
青道だって、騒がれてる。
御幸だ!オーラあるなとか、降谷くんの背番号の話題とか。
女の子達はキャーキャー言ってた。
去年同様、降谷くんは人酔い、今年は奥村くんも。
「2人とも大丈夫?」
影で休んでる2人をうちわで仰いでいた。
瀬戸くんがスポーツドリンクを買ってきてくれたタイミングで一也に呼ばれた。
「後よろしくね。」
うちわを浅田くんに手渡して、一也の所へ走る。
「あ、楊くん!やっほー」
「元気そうだな。」
「うん、楊くんも元気そうだね。」
一也と3人で会話を交わした。
楊くんの背中に向かって彼を絶賛する一也。
「一緒にプレーできた事を誇りに思うよ。」
大会に出れないのは本当にもったいない。
あ、俊平どこにいるかな?
薬師はえーーと、どこだ?
聞き覚えのある独特な笑い声が聞こえてきて、そっちの方に行ってみると沢村くんと轟くんがいて、降谷くんと俊平が喋ってた。
「おっ、舞も来たな。」
「降谷くんもう動いて大丈夫?」
「平気です。ありがとうございました。」
「俊平、手出して。」
「ん?なに?」
「これ、もうこれ以上怪我しませんようにって…」
俊平はのイメージはうちに秘めた闘志の赤。
1羽だけ赤の折り紙で折った鶴。
一也はそれくらいなら許すって言ってくれた。
「これくらいしかできないけど、青道と当たるまで負けないでよ!」
そこに天久くんがいるからあまり大きな声では言えないけど…。
「舞、サンキュー。すっげぇ嬉しいわ。」
俊平のとびっきりの笑顔が弾けた。
鵜久森の梅ちゃんも混ざってきた。
私を見つけた時、「中学生がこんな所でなにやってるんだ?いや、小学生だったっけ?」と揶揄われてちょっとムッとする。
「小学生?」
「東京選抜の時にアメリカチームに高校生って思ってもらえなかった」
「はっ、マジか…ウケる!」
大笑いしてる俊平と牛乳飲めよとまだ揶揄ってくる梅ちゃん。
炎天下の中、立ち話していたからか、一瞬クラっときて後ろによろめいた。
背中がトンッと誰かにぶつかる。
「すみません……あ、一也か…」
「わり…顔色悪いから日陰に連れてくわ。」