• テキストサイズ

ダイヤのA 御幸一也

第51章 先輩の言葉


「さっきと今とで態度違いすぎ。
この短時間で舞ちゃんが関わった人間なんてあの場にいた1年しかいねぇの。その中で舞ちゃんに悪態つくのは奥村くらいだ。
当たりだろ?」

御幸くんていつから探偵になったのかな…。

「監督が舞ちゃんにやってほしいって言ってんだ。その言葉がすべてじゃねぇかなぁ…
言わせたいやつには言わせとけばいい。な?」

「わかった。頑張るから、今から走るの付き合って。」

単純だなと自分でも思う。
御幸くんの言葉に救われた。
彼氏の言葉ってここまで勇気を貰えるんだ。

「舞ちゃんの根性すげぇ…俺がもうギブ!今日は、ここまで!」
しんどいって言ってる割には涼しい顔してるし、これはきっとやり過ぎてる私にストップをかけてる。

「付き合ってくれてありがと。」
「いい汗かいたな」
「御幸くん、ほんとにありがと。」
「なんだ?改まって。」
「自分の事も、キャッチャーとしての練習もやって、こうやって私の事も構ってくれて。時間なんていくらあっても足りないでしょ?」
「充実してるからなーんにも苦じゃないよ。
舞ちゃんとこうしてる時間も俺に取ったら必要不可欠なの。」

私を送ってくれた後にたぶんバット振るんだろうな。
手をつなぐ度に、手の皮が厚くなってる気がする。

きっと隠れてバット振ってるんだろうな。

「帰ろっか」
「うん。」


手を繋いで歩いていると、お使いに言ってたのか、コンビニの袋をさげた奥村くんが前から歩いてくる。

咄嗟に手を離そうとしたら、もっと強く握られた。

なにか言いたそうに私達をじっと見つめている。

「お前さ、俺に突っかかってくんのはいいけどよ、舞ちゃん巻き込むのは辞めてくんない?」

「俺が言ったことキャプテンに喋ったんですか?」

「お前が何言ったか知んねぇよ。その目やめろ。女の子に向ける目じゃねぇよ。」

ギロリと睨まれた目にビクついてしまう。
行こうと手を引かれて奥村くんの前を通り過ぎた。

同室で同じポジション。
こんな調子で大丈夫かなぁ…。

「舞ちゃん泣かせたのはマジで許せん…」

え、と驚くとバレてねぇと思ったかと笑われた。

「誰にも文句言わせねぇくらい結果残してやるから舞ちゃんは何も心配することねぇから。」

/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp