第46章 試合後の夜に
「頼むから、俺を煽るな。」
「煽ってない!」
「煽ってるね。風呂上がりでいいニオイさせて、あーんな熱い視線で見つめてきて、俺のこと試してる?」
ブンブンと首を横に振ったけど、御幸くんには通用しなかった。
「その気にさせられちゃった。」
たくさんたくさんキスをして、あっという間に蕩けてしまう。
目元にもたくさんキスをされた。
「目、赤くなってた。泣いたの?」
「御幸くんにはすぐにバレちゃうね。感動したんだよ、甲子園で試合してるみんなを見てたら。」
「それだけじゃないでしょ?」
なんで、御幸くんにはわかっちゃうのかな…。
御幸くんの大きな身体に一生懸命抱きついて、自分の気持ちを伝えた。
「バカだなぁ…。俺はここにいるだろ。」
「応援したいのに、勝ってほしいのに、夢が叶えば叶うほど…遠くに行っちゃったみたいに一瞬だけ感じた。
だめな彼女でごめんなさい。」
「いや、独占欲だろそれ。舞ちゃんに独占したいって思われて俺は嬉しいよ」
御幸くんの言葉は、私のモヤモヤした気持ちを全部洗い流してくれる。
「好き…なの。気持ちがコントロールできないくらい大好き。」
「うん、嬉しい。俺も好き、大好き。」
いくら言葉にしたって全然足りない。
少しでも伝わって欲しくて自分からもたくさんキスをした。
「舞ちゃん……」
だんだん主張してきた御幸くんのそれに、手を伸ばすと気持ちよさそうな声を出した。
「舞ちゃんはそんなことしなくていい。」
「やだ…御幸くんにだって気持ちよくなってほしいもん。
好きだって気持ち伝わってほしい。」
「く……ッ……ハッ……、こんなこと…しなくても………ちゃんと、わかってる…から。アッ………、もう、ほんと、ヤバイんだって…」
頬を上気させて息も荒い。
その色気をはらむ表情に、キュウっと胸が締め付けられた。
いつも御幸くんがしてくれるみたいに、首とか耳とかにたくさんキスをしながら御幸くんのを撫でていたら、手首を取られてベットに縫い止められた。
「覚悟はできてるかな、舞ちゃん、今度は俺の番。」
またあっという間にドロドロに溶かされる。
期待からかお腹の奥がキュンキュンした。