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ダイヤのA 御幸一也

第23章 御幸の気持ち


「お前さ、いい加減にしろよッ」

倉持の怒号が狭い寮の部屋に響き渡る。

「そんなに気になるんだったら、お前も一緒に行けば良かっただろ。
それをウジウジ情けねえなぁ…」

中学からの友人との約束に俺がノコノコついていけるわけねぇだろ。
でも、真田との関係が気になって、気になって、倉持に愚痴りに来たら怒鳴られた。


「早よ出ていけ。なぁ、マネージャーお前らからもなんか言ってやって」

自分では手に負えんと思ったのか、俺達の様子が気になっていたというマネージャーが学校に来ていたのを倉持が捕まえた。

「御幸…あんたもほんと好きだよね。」

「あの真田くんと友達なんて、舞が御幸になびかないわけだわ。」

「と、言いますと?」

「御幸に負けず劣らずのイケメン真田俊平。男前の顔見慣れてるんじゃない?」

「舞ちゃんは顔で選ぶタイプじゃねぇよ。」

あ、しまった…ニヤニヤして3人がこっち見てる。

「じゃぁさ、性格悪いお前に勝ち目あんの?」

「うるせ…」

「え、ちょっと待って。そもそも真田くんて舞のこと好きなの?」

「知らねぇけど、気になるだろ…。
自分以外のやつと出かけるのって。」

3人がはぁーと大きなため息をついた。

「重症…」
「顔はいいのに…」
「独占欲、強すぎ…」



「君たちはうまくいってよかったねー」

この休みの間にマネージャー2人は、彼氏ができたそうだ。
相手は野球部のやつ。
公私混同するような奴らじゃないから、うまくやれるだろう。


「あの子、人のことには敏感なのに、自分の事となると途端に鈍感になるからなぁ…」

「もうはっきり好きだって言っちゃえば?その方が意識されるかもよ?」


この2人の言葉に、自分が逃げていただけなんだと思い知らされた。

甲子園決まったらとか逃げ道作ってた。

デートしようと誘った昨日も、舞ちゃんは全くその気じゃなかったみたいな反応。
正直かなり凹んだ。


「言う勇気が御幸にないなら、今すぐきっぱり諦めること。
間違いなく新チームでも、核の選手なんだから、ウダウダ悩んでんじゃねぇ。」


「おぉ…言うね。さっちん…」

梅本の言葉がグサリと刺さった。
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