第5章 Tell me cute
私がずっと言われたくて努力しても言ってくれなかった言葉をいとも簡単にかっちゃんは紡いだ。
立ちすくむ私にさらなる追い討ちがかかる。
「でも爆豪には瞬木が居るからな」
「羨ましい!」
「爆豪って2人っきりの時どんな感じなの?瞬木に激甘だったりして!」
「は?んなこと言うわけねーだろ。凛みたいなブスに」
「ちょ、おいお前それはさすがに・・・」
もうダメだった。
ポニーテールを無理やりほどこうとゴムをひっぱるとブチっと悲痛な音とともに大事にしていた髪が数本抜けた。
痛みなんてまったく感じなかった。
シーンと静まり返ったこの教室。
切島くんたちがしまった、とでも言うかのように顔を青くしていた。
隣にいるかっちゃんのことは見れなくて、今どんな表情しているかわからなかった。
誰かが私の名前を呼んだとき反射的に逃げ出した。