第11章 嘘 十劉十裏
私は。
まず、勘違いしないで欲しい。
私はこの男、劉とは
恋人でもなんでもない
ただお互いの利害が一致して
"こういうこと"をしているんだ。
「……はぁっ…はぁっ…」
「いゃーやっぱりとは気持ちがいいねー。
最高だよ」
その割には余裕そうね。
そう言うところも大嫌い
時刻を確認すると10時34分を迎えていた
いけない
もうそろそろ行かないと予定が遅れてしまう
私は服を着始めた
「今日もこの後仕事の予定があるのかい?」
「まあね。」
「最近少し働き過ぎじゃないかい?
たまにはゆっくり休みなよー
僕だって君を過労死させたいわけではないんだから」
劉を無視して、さっさと私は
出口へ向かった。
ドアを閉める時
「無視とは寂しいな〜」と背後で聞こえた