第12章 陶酔 十葬儀屋十裏
何が起きたの??
ねえ、
今、何が起きているの????
足元がじわっと
真っ赤に染まってゆく
痛くて痛くて痛くて
激痛にもがいてるのに
葬儀屋さんは
私を抱き締めたまま離そうとしない
葬儀屋さんは今私に何してるの???
何を私の背中に突きつけたの??
「大丈夫だよ。。
君は小生と
死んでからも一緒にいられるのさ。」
どういうこと…
「小生は今ね、とある研究で、
死して尚動ける人間を作ることに成功したんだ。
だから君も、その実験体となって協力してもらおうと思ってね」
キヒヒヒヒ、といつものように葬儀屋さんは笑っていた。
「私……..も、っど、
葬儀屋、ざんと、一緒に…いだいよ」
"そう、その未来への願望。
それこそが最高の素材となり
限りなく人間に近い動く死体が出来上がるのさ"
「生きてた頃よりずっと美しい姿でまた会おうね。
」
私は彼の所有物
私を生かすも殺すも
彼次第
ずっと彼と一緒にいれさえすれば
それでいい。
END