第22章 好きな子の水着姿 / 甘
今日はプールの授業、ひたすら100メートルを泳ぎまくるという内容だった。
私は、ぷはっ、と100メートルを泳ぎ終わってプールから上がる。
『あーもぅ、髪の毛ぐしゃぐしゃになった…』
「…大丈夫? リルルちゃん?」
『うん、大丈夫ー直してから次行くー』
私は水泳帽子を脱いで、結んでいた髪を解いた。
無駄に長い髪の毛を整えて結び直す。
髪の毛切ろうかなぁ、と考えていたらふと視線を感じて振り向くと
日陰で休んでいる爆豪くんがいて、ばっちりと目が合ってしまった。
多分数秒だけど、凄く長く感じた。
気がつくと、ぷいっと顔ごとそらされていた。
『…む、ほんと愛想悪いんだからっ』
私はさっと水泳帽子をかぶり直すとスタートコースへと移動した。
*
「…〜クソっ///、全然忘れられねェ//」
あいつがプールから上がるところが見えた。
認めたくねぇが、何故か目で追ってしまう女。
出るとこは出て、無駄にいい身体のライン。
おまけに髪も解きやがってっ//
無駄に目が合っちまったじゃねぇか…//
「あークソがぁっ///」
「どうかしたのかー?」
「あ"ぁ!? なんでもねぇよ!クソ髪!!」
「何で怒ってんだよ…」
忘れようとすればするほど、脳裏に焼き付く。
俺は髪をガシガシかいてプールに戻った。
END