第14章 膝枕 / 甘
高校を、卒業して無事にプロヒーローとなった勝己くん。
その時に、一緒に住め、って言われたから一緒に住むことにした。
毎日忙しくて今日やっと、お休みをもらったみたい。
どこか行くか?って言われたけど、せっかくだからお家でゆっくりしてほしいって提案したら、しぶしぶ了承してくれた。
でも勝己くんは、ゆっくりって言っても落ち着かないみたいでさっきからずっと筋トレしてる。
私はそれをソファの上で眺めていた。
『休めって言ってるのに、筋トレしたら休まらないでしょー?』
「ンなことしてたら、体鈍るだろうがっ」
朝からストレッチ、腕立て伏せ、腹筋。
何回ずつやってるかわからないけど、タンクトップと短パンで、汗だくで、正直目のやり場に困る。
なんとかして邪魔出来ないかと考えてたら、勝己くんの体勢がうつ伏せになった。
私は、ソファから移動して、勝己くんの側に寄る。
『……えいっ!』
「あ"ぁっ!? 何してんだっ! 」
案の定、目がつり上がったあの顔で怒ってくるけど、無理矢理頭を降ろそうとしないからやっぱり優しい。
『んー? 腰枕? 、あー凄いフィットするー!
ちょうどいい高さと硬さだよー、でもちょっと硬いかなぁ…』
寝返りとかうってみるが、さっきから勝己くんの反応がないことに気づく。
本当に怒ったかなと、勝己くんの方を見ると、くるっと勝己くんの身体が回転して、お腹に頭を乗っけた状態になる。
『うっわっ、急に動かないでよっ!』
「…枕にするんなら、こっちにしろや」
そう言うと勝己くんは状態を起こして、私の頭を膝に乗せてくれた。
『…えっ///』
「ンだよ…」
勝己くんに膝枕されてることに気づくのに数秒かかった。
視線もどこ向けたらいいかわからなくて、とりあえず勝己くんのお腹を見る。
「…リルル、こっち向け」
『…向けれません…っ///』
「…あ"ぁ?」
膝枕されてて、名前もそんな呼ばれたことないのにふいに呼ぶなんて絶対顔真っ赤だ。
「…はよ、向け」
半ば、強制的に向かせられると、唇同士が軽く触れた。
『…〜〜っ///』
「…っは、マヌケ面」
ニヤリと笑う勝己くんに私は、もう絶対邪魔しないと誓った。
END