第11章 髪を乾かす / 甘
私がお風呂から上がると、珍しく髪を乾かしてないで、スマホをいじってる勝己くんがいた。
私は、ずっとやってみたかったことがあったから言ってみた。
『ねぇねぇ、勝己くんの髪、乾かしてみたい!』
「断る…」
『そ、即答……勝己くんのけちー!』
「あぁ?今なんつった!!? リルル!」
あの目がつり上がった状態の勝己くんに怒られる。
『どうやったらつんつんな髪型になるのかやってみたかったのに!』
「っ…今日だけ、だからな!!」
半泣きで訴えてみたら、了承してくれた。
私の目の前に後ろ向きであぐらをかいて座る。
『…な、なんか緊張する…っ//』
「……下手クソだったら、即終わりだかんな!」
私は、恐る恐る髪を乾かし続けた。
髪を乾かすよりも勝己くんを怒らせないようにする方が必死だった。
『い、いかがでしたでしょうかっ//』
「ま、悪くねぇな」
『良かったぁ…でも不思議だなぁ、つんつんになった!』
「おら、リルル、後ろ向けっ!乾かし殺したるわ!」
『わーい!お願いしまーす!』
「ったく…調子のいいやつ…」
実はこれが目的だったりする。
END