第10章 一緒に迎える朝 / 甘
『ん、ふぁー…』
いつもより早く起きれたような気がした。
あくびをしながら、目を開けると勝己くんは、まだ寝ていた。
ー珍しいな…いつも早いのに。
これは、めったに見れない勝己くんの寝顔を見るチャンスだとずっと見ていた。
仰向けに寝てる勝己くんを私は横から見る。
まるで見本みたいな寝方だ。
顔綺麗だなぁ、とか、やっぱりかっこいいなぁ、とか思っていたら急にこっちに寝返りをうつ。
「…ん…」
『…っ!!!?///』
ーび、びっくりしたぁ///、起きたかと思った…
こんなこと、めったにないし、眺めていたかったけど、人が寝ているところを見てると、眠くなってくる。
私も寝てしまおうかと目を瞑ると、急に抱き寄せられた。
『うわっ!?///』
「…リルル…起きてたんか」
『う、うんっ、おはよっ//』
ー起きたばっかりの顔は、なんというかずるい…//
「ん、…なら、抱き枕になれ…」
『って、もう強制的になってますけどっ///』
潰れるっていうぐらい抱きしめられていて身動き出来ない。
そんな勝己くんは、もう既に夢の中だった。
そして、本日2度目の起床はやっぱり勝己くんが既に起きていて、無理矢理起こされる。
「…はよ、起きろ!リルル」
『なんか理不尽!』
END