第8章 白雪姫 / 甘▲
お昼休み、リルルと昼飯を食うため迎えに行った。
『あ、勝己くん、ありがとうっ、ちょっと待ってね』
「…ん」
周りから視線を感じるが知ったこっちゃねぇ。
外を見ながら待ってると、ごめんね、ってリルルがやってきた。
廊下を歩いていると、勝己くん、と呼ばれた。
「…ンだよ、」
『実は、文化祭で白雪姫やるんだけど、私が白雪姫やるの!』
すごいでしょ!って無駄にテンション高いリルル。
「…演技なんて、出来んのか?」
『む、失礼ね!』
今度は、頬を膨らます。
ー まてよ、白雪姫って確か…
「…ダメだ」
『えっ?』
「…ンなの、断れ」
『なんでっ』
「……何度も言わせんなっ」
案の定、リルルは泣きそうな顔してる。
俺の気も知らねぇで。
なんと思われてもダメだ。
これだけは譲れねぇ。
ーそれでもやるってンなら、どうなっても知らねェからな
END