第12章 何気ない日常のなかで
出久くん、どこにいるかなぁと寮をうろうろしていると、共有スペースのソファに出久くんが1人でスマホを見ていた。
ー 何みてるんだろ…?
少し側まで近寄ってみたけど気付いてないみたいで、ずっとスマホに集中している。
私は悪戯心が芽生えて、ちょっと驚かせてみようとそっと後ろに回った。
そして背中をつーっとなぞってみた。
「ひゃうわぅっ!!」
『…えっ』
意外にも女の子みたいな、可愛い奇妙な声を上げながら、背中をそらす出久くん。
私はその仕草が面白くて笑いが止まらなかった。
「リルルちゃん!?//」
『…ふふ、背中…弱かったんだね…ふふ、やばっ…』
びっくりしたよ、もぅ〜って言う出久くんだけど、私はあまりにもツボに入って涙目になる。
「ちょっ…笑いすぎだよっ// …」
『…ごめっ…だって、面白くて…ふふっ』
ーそんなに笑うなら、仕返しされても文句言えないよね?
END