第10章 宝物はすぐそばに
ー …そろそろ朝、かなぁ?
そんなことを思い、眠たい目を擦りながら開けると、出久くんがこちらを向いてばっちりと起きていた。
『ふぇっ!お、起きてたのっ⁉︎///』
「うん、でも、さっき起きたばかりだよ?」
『……でも寝顔、見てたでしょ?//』
「うん、ばっちり!凄く可愛かったっ」
『…〜っ///』
ニコニコしながら言う出久くん。
正直恥ずかしい。
顔半分を布団で隠す。
「ふふ、おはようー、リルルちゃん」
『お、おはようございますっ//』
優しい笑顔で挨拶する出久くんに対して、私はなんでか敬語。
なんで敬語?って出久くんに笑られる。
ー なんだかくすぐったい
でもまだ眠気が襲ってきて、思いきって出久くんの胸にすりすりしてみた。
「…リルルちゃん、今日は甘えん坊だね、よしよし」
出久くんの、優しい手が私の頭を撫でる。
『ん、出久くんの手、好き〜…』
「そうかな? ありがとう、って、もう寝てる」
いつの間にか私は眠ってしまったけど、おでこにキスされたような気がした。
「おやすみなさい、リルルちゃん、今度は起きたらしてあげるね」
END