第8章 必死に隠す本心
放課後の楽しみの1つ、リルルちゃんと一緒に帰ること。
僕から告白して、彼女になった。
『ごめんね、出久くん、遅くなっちゃった…』
パタパタと走ってくるリルルちゃん、両手を合わせて申し訳なさそうな顔をする。
そんな顔しなくてもいいのに。
「大丈夫だよ? 帰ろう?」
うんっ、て今度は嬉しそうに笑うリルルちゃん、ころころと表情が変わって本当可愛い。
『出久くん、聞いて聞いて!』
「どうしたの?」
『今度、文化祭でしょ?』
そういえば、そうだった、去年は大変だったなぁと思いふける。
『実は、文化祭で、白雪姫やるんだけど、私が白雪姫やるの!』
すごいでしょ!って自慢げに言うリルルちゃん。
ドレス似合うだろうなぁと想像すると可愛い他ない。
「そうなんだ!凄いね!絶対似合うよ」
そういうと、はにかむリルルちゃん、とは言ったものの、白雪姫って確か、毒リンゴを食べて眠っちゃって、王子様とキスで目覚めるお話だったような。
「ね、ねぇ、リルルちゃん、も、もしかして、キ、キスシーンも、あるの?」
『んー? そりゃあ一番の名シーンだもん! でも大丈夫だよ? 実際にはしないからっ』
「そ、そうだよねっ‼︎?」
ーだってもし、したら僕、王子役の人になにするかわからないから…
END