第39章 吸血鬼をひろいました -出会い編- / パロディ甘
『…ど、どうしよう』
仕事から帰る途中、道端に人?が倒れていた。
というのも服装は全身黒い服に黒いマント、そして極め付けは口元から少し出てる特徴的な牙。
これは俗に言う吸血鬼のような格好をしていた。
まさかね、なんて思いながらほっとけない私は、不幸中の幸いか、すぐそこに家があるから運ぶことにした。
私の寝室に運ぶと、ベッドに寝かせた。
「…ん、良い、匂いが、する…」
『あ、気が付いたんですか…?大丈夫で…きゃあっ!』
声がしたと思ったら、急にパシっと腕を掴まれて、ベッドに引きずり込まれた。
「…凄く、良い匂い…ダメだ、我慢できない…」
あっという間に上下逆転にされて見下ろされる。
目が虚ろで、焦点があっていないけど、恍惚とした表情で不覚にもドキッとしてしまった。
『…い、いやっ、離して、やめっ、いっ、…あぁっ///』
逃れようとするけど、どこにそんな力があるのか、離れようとしてもびくともしない。
そして、気づいたら首元に噛みつかれた。
じゅるると血をすするような音を聴きながら、私は意識を手放した。
ふと目を開けるといつもと変わらない部屋の天井。
いつの間にか布団もかけてあってまるで夢を見ていたかのようだった。
「あ、あのっ、気がつきましたか?」